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嚢胞性線維症患者における副鼻腔の発達:副鼻腔容積分析。
アブストラクト
背景:嚢胞性線維症(CF)は、患者の生活の様々な面に影響を及ぼす重篤な全身疾患である。疾患の進行は、副鼻腔を含む下気道や上気道に悪影響を及ぼすことが知られている。しかし、小児における副鼻腔の発達への影響については、十分に検討されていない。本研究の目的は、小児CF患者集団における副鼻腔の発育を評価し、健常児からなる対照群と比較することである。
方法:小児CF患者と対照群のコンピュータ断層撮影(CT)検査結果を評価した。研究対象は、研究グループの小児のCT画像114枚と、0~18歳の健常児のCT画像126枚である。上顎洞、前頭洞、蝶形骨洞の容積を解析した。得られた結果を対照群と比較し、統計学的に解析した。
結果:両群とも副鼻腔の容積と発達は年齢とともに増加したが、対照群との間に統計学的有意差が認められた。
結論:得られた結果は、副鼻腔の発達に対する CFの影響に関する貴重な知見を与えるものであ る。また、疾患の進行や患者のQOLや寿命への影響を理解する上でも重要であろう。この結果は、診断の強化に貢献し、CFに伴う慢性副鼻腔炎患者の治療法の改善に示唆を与えるものである。