退職後の移行期における身体活動と身体機能の同時変化-多軌跡分析。
アブストラクト
背景:身体活動と身体機能は定年退職後の移行期において変化することが報告されているが、その結果は一貫しておらず、2つの構成要素を同時に検討したことはない。本研究の目的は、公務員における退職移行期の身体活動と身体機能の同時変化を検討し、職業、性別、配偶者の有無、体格指数(BMI)、飲酒、喫煙の有無が、観察された異なる多軌跡経路と関連しているかどうかを検討することである。
方法:Finnish Retirement and Aging studyの参加者3,550人が、退職前後の身体活動および身体機能(SF-36)に関する年次調査に回答した。グループベースの多変量解析により、身体活動および身体機能の同時変化が異なるクラスターを同定した。多項回帰分析を用いて、共変量と特定のクラスターに分類される確率との関連を記述した。
結果:参加者は63.4歳(SD 1.4)、83%が女性、65%が専門職であった。身体活動と身体機能の同時変化の4つの軌跡が同定され、1つは身体機能が低下し活動量が低いもの、1つは活動量が増加し安定した高い機能を有するもの、2つは身体活動が中等度で変動し安定した高い機能を有するものであった。独身者、女性、肥満者、アルコールのリスク常用者は、身体活動が低く身体機能が低下しているグループに分類されやすかった。
結論:通常推奨されるレベル以下の低い身体活動は、退職後の移行期における身体機能の低下と関連していた。これらの知見は、退職者が身体機能レベルを維持するための介入を計画する際に有用であろう。