PANSの症状持続に関連する因子:第II部-特徴、医学的併存疾患、IVIG治療歴。
アブストラクト
目的小児急性発症精神神経症候群(PANS)は、感染症や他の誘因の後に精神神経症状を経験する。PANSは一般的に再発寛解型とされるが、2017年に実施された大規模な地域ベースの研究では、様々な経過が明らかにされた。本研究では、この同じサンプルにおいて、無症状日数%で測定される症状持続の臨床的予測因子を検討した。方法146問のオンライン調査により、PANS患者の既往歴(感染症やその他の誘因、医学的・発達的併存疾患)、症状、介入、転帰(学校機能を含む)を収集した。多変量解析を用いて、これらの変数と無症状日数との関連を検討した。結果対象者646人のうち、症状の持続性が高いほど、医学的合併症(特に発疹、頭痛、慢性副鼻腔炎、頻回の下痢、免疫不全)、発達診断、回答者が認識する発達の遅れの割合が高いとの間に有意な関係が認められた。症状の持続性が高い被験者ほど、身近な人の感染、予防接種、環境的誘因、併存疾患の増悪に関連したPANSの増悪を報告する傾向が有意に高く、エプスタイン・バー・ウイルス、マイコプラズマ、副鼻腔感染に誘発されたPANSの再発を報告する傾向が高かった。PANSがより持続することは、特定の症状(睡眠障害、尿失禁、筋肉痛、脳霧、感覚過敏、攻撃性関連症状)の頻度が有意に高いこと、症状に対する免疫グロブリン静注の効果が低いこと、就学困難であることとも関連していた。結論われわれの結果は、PANSにおける症状の持続性の高さが、より広範な内科的症状および精神神経症状と関連していることを示唆している。症状持続の差は、内因的要因(例、免疫能力)と外因的要因(例、感染症、治療)の両方と関連している。外因性因子は修正可能な可能性があるため、医療者はPANSの評価と治療に関する最新のガイドラインを把握しておくことが重要である。