ヒトパピローマウイルスワクチン接種のための臨床医による促し:クラスター無作為化試験。
アブストラクト
目的:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種について、臨床医によるプロンプトを用いたオンライン介入の影響をクラスター無作為化比較試験で評価した。
方法:無作為化試験は、2021年7月~2022年1月に全米のプライマリケア小児科診療所48施設(介入24施設、対照24施設)で実施した。2つのオンライン学習モジュールと、テキストまたは電子メールで毎週配信される''クイックヒント''を用いて臨床医を訓練した。研修では、初回および2回目以降のHPVワクチン接種について、初診時および急性期/慢性期来院時に、スタッフから臨床医へのプロンプト(キーボードに印刷されたリマインダーなど)と電子カルテ(EHR)からのプロンプト(まだ実施されていない場合)を実施するよう指導した。HPVワクチン接種の機会損失については、intent to treatベースで診療によるクラスタリングを考慮したロジスティック回帰モデルを用いて評価した。アンケート調査により、プロンプトの使用に対する促進要因と障壁を評価した。
結果:6ヵ月の介入期間中、HPVワクチン接種の機会損失は介入群、対照群ともに増加(悪化)した。しかし、保育所での初回HPVワクチン接種の機会損失は、介入群と対照群で4.5(95%CI:-9.0%、-0.1%)ポイント減少した。保育所受診時と保育所非受診時では、その後の接種機会逸失の変化は試験群間で変わらなかった。試験終了時の調査では、人手不足が共通の課題であることがわかった。
結論:臨床医によるプロンプトは、ウェルチャイルドケア受診時のHPVワクチン接種の機会損失を減少させた。COVID-19の流行に関連した人員不足が、両群の機会損失を悪化させた可能性があり、診療所が変更を十分に実施する妨げとなった可能性が高い。