母体および臍帯血、母乳中のカロテノイドと母親の食事摂取量との関連:中国、上海における縦断的研究。
DOI:10.1017/S000711452300257X
アブストラクト
カロテノイドは母乳中の重要な生理活性物質であるが、そのプロファイルはほとんど研究されていない。本研究の目的は、中国・上海の健康な母子ペアの母乳および母体・臍帯血漿中のカロテノイドのプロフィールと食事摂取量との相関を調べることである。母親の血液、臍帯血、および5つの泌乳段階(初乳、移行乳、前期・中期・後期成熟乳)の母乳サンプルを採取した。カロテノイド濃度はHPLCで分析した。母乳中のカロテノイドレベルは、泌乳が進むにつれて変化した(< 0-001)。-初乳中の主要カロテノイドはカロテンであった。ルテインは移行乳、成熟乳および臍帯血中の総カロテノイドの約50%を占めた。臍帯血と母体血中の5種類のカロテノイドの間に正の相関が観察された(すべて<0-001)。-カロテン濃度は、母親の血漿と3段階の母乳との間にも相関が見られた(それぞれ、0-605, < 0-001; = 0-456, = 0-011, = 0-446; = 0-013)。授乳中の母親のカロテノイド摂取量も授乳期によって異なっていたが、母乳濃度との相関は認められなかった。これらの知見は、カロテノイドの母親と乳児の間の輸送メカニズムを探ることの重要性を示唆し、授乳中の母親の栄養食だけでなく、中国の乳児のための処方の開発の指針にも役立つ。