COVID-19パンデミック前後の小児急性副鼻腔炎の時間的傾向。
DOI:10.1002/ohn.578
アブストラクト
目的:COVID-19の初回封鎖に伴う小児急性副鼻腔炎および関連合併症の全国的な発生パターンを評価した。
研究デザイン:レトロスペクティブNational Databaseレビュー。
設定:小児医療情報システム。
方法:2015年から2022年までの急性副鼻腔炎および関連合併症の発生率データを照会した。T1、T2、T3の3つの期間を、COVID-19以前のベースライン、パンデミック初期、パンデミック後と定義した。統計解析では、ウィルコクソン順位和検定、多変量ロジスティック回帰、自己回帰積分移動平均(ARIMA)などを用いて、T2およびT3で観察された合併症発生率と、T1のデータから推定されたこれらの期間における予想発生率との差を評価した。
結果:42施設で2535例の急性副鼻腔炎入院が確認された。発生率はT1(31.5例/月)、T2(15.8例/月)、T3(29例/月)で異なっていた。10~14歳の小児の急性副鼻腔炎罹患率が最も高く(32.5%)、T2では他の年齢に比べて高かった。T1では、急性副鼻腔炎およびそれに関連する合併症の発生率は、平行した季節的パターンに従っていた。副鼻腔炎罹患率はT2に減少したが、合併症はT1と比較してT2およびT3に有意に増加した(37.4%および39% vs 27.5%、P < 0.001)。ARIMAモデルでは、合併症の発生率(95%信頼区間)に対する観察値の比は、T2では1.09(0.69、2.60)、T3では1.14(0.73、2.62)であった。
結論:COVID-19の最初のパンデミック時およびその後に、パンデミック前のベースラインと比較して急性副鼻腔炎の発生率が減少し、関連する合併症が増加したことは、パンデミックによるウイルス感染パターンの変化を反映している。