小児がん患者におけるSARS-CoV-2感染:AIEOP感染症ワーキンググループの決定版包括的報告書。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、SARS-CoV-2感染が小児がん患者や造血幹細胞移植を受けた小児に与える臨床的影響と転帰を評価することである。
方法:AIEOP(Italian Association of Pediatric Hematology and Oncology)は、2020年4月から2022年11月までの連続患者を対象とした全国規模の多施設観察コホート研究を実施した。
結果:イタリアの25施設が参加し、455例の患者が登録された。症候性感染症例は年々有意に増加する傾向がみられたが、非軽症感染症は横ばいであった。腫瘍学的診断後の早期感染(60日未満)および重症好中球減少症が、中等度、重度、または重症感染症発症の独立したリスク因子として同定された。無症状および軽症状で化学療法を中止した患者の割合は、パンデミックの年数を経るにつれて減少した。9人の患者が死亡したが、SARS-CoV-2感染に起因する死亡はなかった。
結論:SARS-CoV-2感染は、パンデミックの間、イタリアの小児血液腫瘍集団において自己限定的な良性経過を示し、その主な結果はがん指向性治療の中止であった。無症状で化学療法を中止した患者の割合は年々減少しており、化学療法の継続が実行可能な選択肢であることを示唆している。