米国医療従事者における症候性SARS-CoV-2感染に対する2価mRNAワクチンの有効性(2022年9月~2023年5月)。
アブストラクト
背景:2022年9月から2価のmRNAワクチンが推奨されている。しかし、最近のワクチン接種によるカバー率は限定的であり、症候性SARS-CoV-2感染(COVID-19)に対する二価ワクチンのVEの確実な推定値はほとんどない。われわれは、過去に1価のmRNAワクチンを接種したことのある適格な米国の医療従事者を対象に、COVID-19に対する2価のmRNAワクチンのVEを推定した。
方法:米国22州で症例対照研究を実施し、2022年9月~2023年5月にCOVID-19を有する医療従事者(症例参加者)またはCOVID-19を有さない医療従事者(対照参加者)を登録した。参加者は、2~4回の1価(祖先株)mRNAワクチンの接種を受けており、直近のワクチン接種から67日以上経過している場合に、2価mRNA投与の適格者とみなされた。条件付きロジスティック回帰を用いて、地域と4週間の暦期間によるマッチングを考慮し、二価mRNA用量のVEを推定した。推定値は、年齢層、性別、人種および民族、教育レベル、基礎的健康状態、地域COVID-19曝露、SARS-CoV-2感染歴、および最後の1価mRNA投与からの日数で調整した。
結果:3,647人の医療従事者のうち、1,528人が症例参加者、2,119人が対照参加者となった。1,234人(33.8%)が2価mRNAの投与を中央値93日前に受けていた。全体として、COVID-19に対する2価用量のVEは34.1%(95%信頼区間、22.6%-43.9%)であり、製品、最後の1価用量の投与からの日数、過去の投与回数、年齢層、基礎疾患の有無によって同程度であった。しかし、VEは7~59日後に54.8%(95%CI、40.7%~65.6%)から60日以上後には21.6%(95%CI、5.6%~34.9%)に低下した。
結論:2価のmRNA COVID-19ワクチンは、米国の医療従事者において、当初はCOVID-19に対して約55%の予防効果を示した。しかし、防御率は2ヵ月後には低下した。これらの所見は、COVID-19ワクチンを接種し続けることで、症候性SARS-CoV-2感染に対する中等度の初期防御が得られることを示している。