中国人女児の特発性中枢性思春期早発症に対するリュープロレリン3ヵ月デポ剤(11.25mg)の有効性と安全性:単施設レトロスペクティブ研究。
アブストラクト
目的:本研究は、中国人女児を対象とした特発性中枢性思春期早発症(ICPP)に対する酢酸リュープロレリン3ヵ月製剤(3ヵ月LA、11.25mg)の有効性と安全性を評価することを目的とした。
方法:中国で、3ヵ月LA治療を少なくとも1年間受けたICPPの女児28人を対象に、単施設での後方視的研究を行った。人体計測、生化学、骨年齢(BA)、骨盤超音波検査のデータを投薬前と投薬中6ヵ月ごとに評価した。
結果:CPP診断時の平均年齢(CA)は7.8±0.8歳で、骨年齢の上昇(BA-CA)は1.5±0.8歳であった。治療開始後、成長速度は12ヵ月目に8.5±1.6cm/年から5.8±1.1cm/年に有意に減少した(p<0.001)。有効性の主要評価基準であるGnRH刺激ピークLH≦3IU/Lは,3ヵ月目に28例中27例(96.4%)で観察された。基礎エストラジオール<20pg/mLは,6ヵ月目に28例全員(100%)で達成され,12ヵ月目でも安定していた。基礎卵胞刺激ホルモン(FSH)は4.1±3.5から1.7±0.9(p<0.001)に減少し、基礎LHも12ヵ月目に3.3±6.5から0.7±0.8(p=0.035)に有意に減少した。治療開始時の予測成人身長(PAH)の平均は152.7±5.8cmであったが、1年間の治療で157.5±5.5cm(p=0.007)に有意に増加した。思春期の発育はほとんどの患者で遅くなり、一部の症例では逆になった。1例(3.6%)のみが局所不耐性を報告した。
結論:酢酸リュープロレリン3ヵ月投与は、中国人女児の下垂体-性腺軸を抑制し、低下した成人身長を回復させるための安全かつ有効な治療法である。