プライマリケア診療所における食物アレルギーの疫学:横断研究。
アブストラクト
食物アレルギー(FA)は、世界的な公衆衛生上の関心事となっている。プライマリケア診療所におけるFA相談についてはほとんど知られていない。本研究の目的は、プライマリケア診療所におけるFAの特徴を記述することである。また、全国のプライマリケア医の現在の知識と実践を報告することも目的としている。2023年5月から6月にかけて、クウェートの6つの保健地区の保健省プライマリケアクリニックに勤務するプライマリケア医に、電子横断的質問票を配布した。アンケートは、参加者の人口統計、FAカウンセリングの特徴、FAカウンセリング中の参加者の知識と実践、37の変数ツールの3つのセクションから構成された。プライマリケア医の87%が、過去12ヵ月以内にFA患者のカウンセリングを行った。FA患者の多くは小児と乳児であった。プライマリケア医の10人中約2人が、1週間に1例以上のFA患者のカウンセリングを行っていた。臨床症状の有病率は、血管浮腫(23%)、多数の皮膚じんましん(21%)、少数の皮膚じんましん(19%)、口のかゆみ(9.4%)であった。アレルゲンの有病率はそれぞれ、ピーナッツ(46%)、貝類(37%)、卵(36%)、木の実(36%)であった。FAに関するプライマリ・ケア医の正解率の平均は58%であり、FAに関する十分な知識を習得しているプライマリ・ケア医は26%にすぎず、67%以上であった。FAに関する知識スコアは、臨床症状7±1.6点、診断検査2±1点、治療2.6±1点、予防3±1点であった。実際の診療では、30%の医師が正しい治療を行い、55%の医師が正しい紹介を行っていた。 86%の医師がFAに関する研修を切望している。FAはプライマリケアクリニックでよくみられる相談である。FAの最も一般的な症例は、小児における重篤なアレルギー反応である。現在のプライマリケア医はFAのカウンセリングについて十分な知識を持っておらず、さらなるトレーニングを望んでいる。FAカウンセリングに関するプロトコールやトレーニングがプライマリケアで開始されるべきである。