小児ターナー症候群患者における上行大動脈拡張症のリスク層別化に向けた取り組み:心エコーによる縦断的観察の結果。
アブストラクト
Unlabelled: この研究は、小児のターナー症候群(TS)における大動脈起始部の寸法と弾力性を、大動脈瘤(CoA)や二尖大動脈弁(BAV)などの既知の心臓疾患との関連で縦断的に評価し、小児期における血管の病態の基礎にあると推定されるリスクプロファイルを改善することを目的とした。当院の小児TS外来における最長7.6年間の縦断的所見について報告する。49人のTS患者(ベースライン時の年齢中央値9.7±5.9歳、範囲0-19.8)が、平均2.9±1.1回の検査と中央値3.4±1.6年の期間追跡された。大動脈基部(AoR)径と対応するZスコアを心エコー検査で測定し、弾性パラメータと年間進行率を算出した。ベースライン時、患者の16.3%がAoRの1つ以上のレベルで2以上のZスコアを示した(BAV患者の35.7%、オッズ比4.2)。すべての測定レベルで正味の進行が認められ、追跡調査終了時には患者の28.6%(BAV患者の50%)が大動脈拡張を示した。進行はBAVの有無、非モザイクモノソミー、年齢と相関していた。思春期の開始とともに進行の平準化がみられた。
結論:大動脈径の顕著な進行は拡張の発生につながり、TS患者では小児期に観察されることがあり、小児期における綿密なサーベイランスの重要性を強調している。主な危険因子はBAVと完全モノソミー45X0である。エストロゲン補充による有益な影響が疑われるが、さらなる調査が必要である。
ターナー症候群の患者は大動脈拡張や解離のリスクが高い。- BAVと完全モノソミー45Xの存在はさらなる危険因子である。
新しい知見:-ターナー症候群の小児患者では大動脈拡張が認められる。- 小児期に大動脈拡張症が進行する可能性があり、綿密なサーベイランスが必要である。