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小児における上気道と下気道の相互作用。
アブストラクト
総説の目的:本総説の目的は、小児における鼻炎、鼻副鼻腔炎、喘息の相互作用を明らかにし、これらの合併症の病態生理と治療における最も関連性の高い科学的進歩について論じることである。
最近の知見:上気道と下気道との関係の根底にある機序の理解における進歩は、炎症事象の病態生理における好酸球の役割に関する貴重な洞察を提供し、単一気道疾患という概念をさらに明確にした。喘息の転帰における副鼻腔系の負担を評価するために行われた研究では、上気道疾患と下気道疾患の重症度が並行していることが示された。慢性鼻副鼻腔炎患者の副鼻腔組織の病理組織は、成人と小児では異なっている。生物学的製剤の標的投与は、コントロール不良の重症喘息患者には有効な治療法であるが、小児の慢性副鼻腔炎患者においては、具体的な臨床試験が待たれる。
要約:アレルギー性鼻炎と鼻副鼻腔炎は、喘息患者の重要な合併症である。副鼻腔系および肺における炎症とリモデリングの発症機序に関する知識の向上は、統合気道疾患患者における新たな治療アプローチにつながり、個別化薬物療法への興味深い展望を開いた。