小児の眼窩周囲感染症における急性鼻副鼻腔炎の役割。
アブストラクト
目的:小児の眼窩周囲蜂巣炎は急性鼻副鼻腔炎(ARS)に起因することが多い。本研究では、小児のARSと眼窩周囲蜂巣炎の重症度との関連を検討した。
研究デザイン:ARSを伴う眼窩周囲蜂巣炎とARSを伴わない眼窩周囲蜂巣炎を対象としたレトロスペクティブ症例対照研究。
設定:患者は2011年8月から2022年8月の間にWest Virginia University Children's Hospitalsを受診した。
方法:患者はARSの有無により症例と対照に分けられた。ARSは、CTスキャンで客観的に病変が認められる臨床症状に基づいて定義された。患者の特徴、治療、入院期間、再入院を収集した。
結果:サンプルは眼窩蜂巣炎の小児患者118例であった。ARSを有する患者はARSを有さない患者より若かったが(6.3 vs 8.5, p = 0.025)、両群間に性差はなかった(p = 0.540)。ARS群では、中隔後蜂巣炎の発生率が高かった(51.5% vs 9.6%、p < 0.001)。ARSを発症していない患者と比較すると、ARSを発症した患者は入院する可能性が高く(p < 0.001)、入院期間が長く(中央値3.5日 vs 0.5日、p < 0.001)、抗生物質の静注を必要とし(95.3% vs 54.9%、p < 0.001)、外科的介入を必要とした(23.1% vs 5.8%、p < 0.001)。再入院率は両群間で同程度であった。
結論:急性眼窩周囲蜂窩織炎を呈しARSを有する小児は、より高度な治療を必要とする重症感染症である傾向がある。ARSを評価し、小児の眼窩周囲感染症患者の治療計画に組み込むべきである。