副腎皮質ステロイド経鼻投与はアレルギー性鼻炎児の急性鼻副鼻腔炎を軽減した:ネステッドケースコントロール研究。
アブストラクト
背景:アレルギー性鼻炎(AR)の小児は、ARでない小児に比べて急性鼻副鼻腔炎がかなり多い。我々は、2~18歳のアレルギー性鼻炎の小児において、経鼻コルチコステロイド(INCS)、第2世代抗ヒスタミン薬(SGH)、および/またはARに対する経鼻抗ヒスタミン薬(INH)が急性鼻副鼻腔炎に影響を及ぼすかどうかを検討した。
方法:台湾のNational Health Research Institutes Database 2005を用いて、2002年から2018年の間にAR治療薬を投与された2~18歳のAR患者コホートを作成し、その中でネステッドケースコントロール研究を行った。急性鼻副鼻腔炎症例のリスク設定は、年齢、性別、併存疾患について対照群と一致させた。INCS、INH、および/またはSGHの現在の使用者は、AR薬の遠隔使用者および最近の使用者と比較され、SGHの有無にかかわらずINCSの現在の使用者はSGHの現在の使用者と比較された。
結果:SGHおよび/またはINCSの現在使用者はAR薬の遠隔使用者よりも急性鼻副鼻腔炎のリスクが高く、SGHの現在使用者は最近使用した使用者よりも急性鼻副鼻腔炎のリスクが高かった。SGHを併用した場合と併用しなかった場合のINCSの現使用者は、SGH単独の現使用者よりも急性鼻副鼻腔炎のリスクが低かった。
結論:SGHを併用したINCS治療とSGHを併用しないINCS治療は、SGH単独治療と比較して急性鼻副鼻腔炎のリスクを減少させた。急性鼻副鼻腔炎の発生率を低下させるためには、AR患者に対する十分なINCS治療が重要である。