成長ホルモン欠乏症児におけるソマパシタン治療に対する1年目の反応性を予測する遺伝子発現シグネチャー。
アブストラクト
背景:治療前の血中トランスクリプトームは、毎日の成長ホルモン(GH)治療に対する成長反応を高い精度で予測する。
目的:新規の長時間作用型GHであるソマパシタンを週1回投与したGH欠乏症(GHD)の小児において、治療前のトランスクリプトームを用いた反応予測を検討する。
方法:REAL4は、無作為化、多国籍、非盲検、アクティブコントロールの並行群間第3相試験であり、52週間の本試験と3年間の安全性延長試験から成る(NCT03811535)。合計128/200人の治療を受けていない思春期前のGHD児が、ベースラインの血中トランスクリプトーム・プロファイリングに同意した。彼らはソマパシタン皮下投与(0.16mg/kg/週)またはGH連日投与(0.034mg/kg/日)に2:1で無作為に割り付けられた。治療反応の予測には、差次RNA-seq解析と機械学習が用いられた。
結果:121/128サンプルが品質管理に合格した。ソマパシタン(n=76)またはGH(n=45)を毎日投与された小児は、52週目における最も成長の早い四分位と遅い四分位に基づいて分類された。身長速度(HV;cm/年)の予測は、どちらの治療においても優れていた(out of bag[OOB]曲線下面積[AUC]:0.98-0.99;検証AUC:0.83-0.84)、成長反応の二次マーカーの予測も同様であった:HV標準偏差スコア(SDS)(0.99-1.0;0.75-0.78)、ベースラインからの身長SDS変化(ΔHSDS)(0.98-1.0;0.61-0.75)、ベースラインからのインスリン様成長因子-I SDS変化(ΔIGF-I SDS)(0.96-1.0;0.85-0.88)。以前にGH療法反応性の予測因子として同定された遺伝子は、今回の両治療法において、最も成長が遅い人(0.67-0.85)よりも最も成長が早い人(OOB AUC:0.93-0.97)の予測に一貫して優れていた。
結論:治療前のトランスクリプトームは、ソマパシタン治療を受けたGHD児の1年目の成長反応を予測する。遺伝子の共通セットは、週1回投与のソマパシタンと従来の毎日投与のGHの両方に対する治療反応を予測することができる。このアプローチは、臨床管理を改善するために、臨床的に適用可能な治療前検査に発展する可能性がある。