小児喘息患者の臨床的特徴、薬理学的管理および増悪に及ぼす年齢の影響。
アブストラクト
背景:喘息の臨床試験やガイドラインでは、思春期とそれ以下の小児を区別していないことが多い。大規模な英語のデータセットを用いて、年齢が喘息の特徴、管理、増悪に及ぼす影響を評価した。
方法:2004~2021年のプライマリケア医療記録を病院記録にリンクした。小児は診断時の年齢で分類され、次の年齢層まで追跡された。年齢(管理ガイドラインに基づく)は5~8歳、9~11歳、思春期(12~16歳)であった。評価された特徴は、肥満度、アレルギー、診断前後の出来事(症状、投薬)であった。増悪発生率を算出した。多変量Cox比例ハザードは増悪との関連を決定した。
結果:119 611人の小児が対象となった:5~8歳61 940人(51.8%)、9~11歳32 316人(27.7%)、青年25 355人(21.2%)。いくつかの特徴は年齢によって異なっていた;5~8歳の小児では湿疹、食物/薬物アレルギーおよび咳嗽の割合が最も高かったが、青年では過体重/肥満、エアロアレルゲン感作、呼吸困難および短時間作用性β作動薬のみの使用の割合が最も高かった。増悪率は年少児で最も高かった(100人年当たり(95%CI):5-8歳=13.7(13.4-13.9)、9-11歳=10.0(9.8-10.4)、青年=6.7(6.5-7.0))。増悪リスク因子は年齢によっても異なっていた;5~8歳:男性、湿疹および食物/薬物アレルギーが強く関連していたが、9歳以上では肥満およびエアロアレルゲン感作が強く関連していた。すべての小児において、社会経済的困窮度の高さは増悪の有無と有意に関連していた。診断の遅れは5~8歳の小児に最も多く、すべての年齢で増悪と関連していた。
結論:小児のベースライン特性と増悪率は年齢層によって異なる。臨床ガイドラインでは、診断時の年齢を5~16歳という広い範囲ではなく、より細かく考慮すべきである。