Men-Bワクチンとの同時接種がロタウイルスワクチン接種率を高める:5年間の地域全体のレトロスペクティブ・コホート研究(STORM研究)。
アブストラクト
はじめに:イタリアでは2018年からロタウイルスワクチン(RVV)の無料接種が開始されたが、接種率はばらばらで最適とは言えない。接種スケジュールを完了するまでの期間が短いことが摂取の障壁となっており、他のワクチンとの同時接種が接種率を高める可能性がある。RVワクチンと髄膜炎菌B群ワクチン(MenB)の同時接種は製品ラベルに記載されていないが、RVV接種率への影響を調査することを目的とした。
方法:このロタウイルスワクチンおよび髄膜炎菌B群ワクチンの同時接種のタイミングと平均に関するサーベイランス研究(STORM研究)は、2016年1月から2020年12月の間にカンパニア地方で出生し、生後1年目に予定されているワクチンの接種を受けた小児に関するデータを収集するために、地域予防接種レジストリを使用した。
結果:登録された224,110人の小児のうち、60,614人(27.0%)がRVVスケジュールを完了し、接種率は2016年の1.15%から2020年の56.92%まで経時的に上昇した。RVVスケジュールの初回および最終回接種が推奨時期を超過したのは、それぞれ調査集団の6%であった。RVワクチンとMenBワクチンの同時接種は、2016年の0.7%から2020年には46.85%に増加した。RV/MenBワクチンを同時接種された小児は、特定の予約時間にRVVのみを接種された小児に比べて、RVスケジュールを完了する確率が有意に高かった(94.78 % vs 72.26 %, Prevalence Ratio -PR- 1.275, 95 %CI 1.245-1.295p < 0.00001)。RV/MenBの同時投与による予防効果は、1価のRVV(PR 1.115)よりも5価のRVV(PR 1.288)のほうが顕著であり、交絡変数(ワクチン接種年、地域、性別)で調整しても確認された。
結論:目標にはまだほど遠いものの、カンパニア州では近年RVVの接種率が上昇している。MenBワクチンとの同時接種は、特に5価のRVVについては、RVVカバー率の向上に役立つ可能性がある。接種率を向上させるための重要な手段として同時接種を支持するためには、さらなる安全性データが必要である。