神経性食欲不振症と非定型食欲不振症に対する小児科と家庭医療の臨床医の知識、態度、実践を比較した。
アブストラクト
目的:非定型神経性食欲不振症(anorexia nervosa:AN)の疫学、臨床的特徴、診断について、思春期のプライマリ・ケア提供者の知識、態度、現在の実践を調査すること。
方法:思春期の患者を診療する小児科と家庭科の医師を対象に、オンライン調査を実施した。統計解析により、非定型ANとANに関する質問に対する回答の違いを比較した。
結果:ANと比較して、参加者(n=67)は非定型ANについて有意に疎く、非定型ANの診断を考慮する可能性が低く、非定型ANを識別することに馴染みがなく、非定型AN患者の健康リスクについてカウンセリングを行う可能性が低く、非定型AN患者を専門医に紹介する可能性が低く、非定型ANを正しく識別する可能性が低かった。診療年数の長い臨床医は、診療年数が5年未満の臨床医に比べて、ANと非定型ANとの間の精通度の差が有意に大きいと報告した。
結論:青少年を診る医療者は、ANと比較して非定型ANに馴染みがなく、またそれを識別しにくいようである。この知識ギャップは、非定型ANが診断として新しいため、診療年数の長い臨床医ほど顕著である可能性がある。非定型ANの危険因子に関する知識の欠如は、診断の遅れとそれに伴う健康転帰の悪化を招く可能性がある。今後の研究では、医療現場やその他の環境において、非定型ANに関する知識やスクリーニングを改善するための戦略を検討すべきである。
社会的意義:小児科や家庭科の医師は、非定型神経性食欲不振症(AN)に対する知識が乏しく、ANと比較して非定型ANと診断する可能性が低い。非定型ANに関する不十分な知識は、これらの患者を制限的摂食の悪化や栄養不良による身体的および心理的影響のリスクが高い状態に置く可能性がある。