バイオマーカーのクラスター分析に基づくアデノイド肥大症の炎症性エンドタイプ。
アブストラクト
目的:炎症マーカーに基づいてアデノイド炎症性エンドタイプを同定し、エンドタイプと表現型を照合し、エンドタイプを予測する。
方法:この横断研究は、アデノイド肥大症の小児72人を対象とした。13種類の炎症マーカーとアデノイド組織中の総免疫グロブリンE(TIgE)をルミネックスと酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を用いて分析し、クラスター解析を行った。各クラスターの特徴を調べるために相関分析が用いられた。アデノイド炎症エンドタイプの予測値を持つ術前特徴的データをスクリーニングするために、ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線分析を行った。
結果:患者は4つのクラスターに分類された。クラスター1では、Th1関連サイトカインの発現が最も高かった以外は、炎症マーカー濃度が低く、非タイプ2シグネチャーを示した。クラスター2は非タイプ2エンドタイプを示し、インターロイキン(IL)-17AとIL-22の濃度が最も高かった。クラスター3は中等度のタイプ2炎症を示し、好中球因子の濃度が最も高かった。クラスター4は有意な2型炎症と中等度の好中球レベルを示した。クラスター1からクラスター4にかけてARと血清TIgE値の割合が増加し、慢性副鼻腔炎の有病率は好中球炎症が低値から高値へと徐々に増加した。血清TIgEのROC曲線下面積は、アデノイド組織における非タイプ2およびタイプ2の炎症の予測において、複合的または他の個別の術前特徴の場合よりも高かった。
結論:アデノイド組織におけるサイトカインの評価により、4つのエンドタイプが明らかになった。血清TIgE値は、アデノイド炎症のエンドタイプの重要な指標であった。アデノイド炎症エンドタイプの同定は、標的治療の決定を容易にする。