侵襲性真菌性副鼻腔炎:小児例と成人例の比較。
アブストラクト
背景:侵襲性真菌性副鼻腔炎(IFS)は死亡率の高いまれな感染症であり、主に免疫不全患者が罹患する。死亡率が高いことから、適時の認識と治療が重要である。本研究の目的は、小児と成人のIFSの症状の違いを明らかにし、この疾患の迅速な診断と治療に役立てることである。
方法:PubMed、EMBASE、Web of Science、Global Index Medicus、Global Health (EBSCO)、Cochrane Database of Systematic Reviewsの包括的な文献検索を行い、IFSに関する論文を同定した。患者の属性、併存疾患、病像、疾患の特徴、治療法、転帰を研究から抽出し、これらの変数を小児患者と成人患者で比較するために統計解析を行った。
結果:111の研究により、世界で22例の小児患者と132例の成人患者が同定された。小児は成人と比較して血液悪性腫瘍を有する可能性が高かった(59.1%対15.2%、p<0.001)。疼痛、浮腫、しびれなどの顔面症状は、両年齢層で最も一般的な症状であった。小児では、発熱、鼻や口腔粘膜の病変がより一般的な症状であった(いずれもp<0.001)。小児患者では、副鼻腔を超えて病変が進展していない患者の方が多かった(p<0.001)。2つのコホート間で投薬治療や死亡率に有意差はなかった。
結論:IFSはしばしば非特異的な症状を呈し、小児および成人集団において特異的な病像を示す。IFSの急速な進行と高い死亡率を考慮すると、両集団における様々な症状を臨床的に認識することは、適時に治療するために重要である。