IVIG抵抗性川崎病におけるオートファジーマーカーの発現と予測モデルの確立。
アブストラクト
背景:本研究の目的は、免疫グロブリン静注療法(IVIG)抵抗性川崎病の早期予測因子を見つけることである。
方法:川崎病と診断された患者を本研究に登録した。単変量解析および多重ロジスティック回帰を用いて、IVIG治療前の両群の患者の臨床的特徴および検査所見を解析した。免疫グロブリン静注療法抵抗性川崎病の独立予測因子を解析し、免疫グロブリン静注療法抵抗性川崎病小児の予測モデルを構築した。
結果:IVIG感受性川崎病108例(男性67例、女性41例)、IVIG抵抗性川崎病31例(男性20例、女性11例)が本研究に参加した。IVIG感受性KD群と比較して、IVIG抵抗性KD群では、入院期間、ALT、AST、GLB、r-GT、IgG、PCT、ESRが上昇し、ATG16L1、LC3II、BECN1、RBC、HGB、ALB、A/G、CKが有意に低下した(P<0.05)。ESR、BECN1、LC3IIのmRNA発現は、IVIG抵抗性川崎病の独立したリスク因子であった。ロジスティック回帰モデルとスコアリングシステムを確立し、ROC曲線から独立危険因子のカットオフ値を導き出した:ESR≧79.5mm/h、BECN1≦0.645、LC3II≦0.481であった。それぞれの回帰係数を用いて、新たなスコアリングシステムを以下のように確立した:ESR≧79.5mm/h(1点)、BECN1≦0.645(1点)。LC3II≦0.481(2点)、0~1をIVIG不応答の低リスク、2以上を高リスクとした。この被験者群に適用したところ、感度は87.10%、特異度は83.33%、Youden indexは0.70、AUCは0.9であった。
結論:IVIG抵抗性KDでは、オートファジーマーカーATG16L1、BECN1、LC3IIが発現低下している。ESR、BECN1、およびLC3II mRNAは、IVIG抵抗性KDの独立した危険因子であり、IVIG抵抗性KDの発症に関与している可能性がある。本研究は、IVIG抵抗性KDの予測に使用できる新しいモデルを確立したが、今後、より大規模な集団での検証が必要である。