カナダ北西部オンタリオ州におけるアニシナベック幼児および幼児期の成長軌跡の決定要因:コホート研究。
DOI:10.1186/s12887-023-04449-5
アブストラクト
背景:健康と疾病の発達的起源(Developmental Origins of Health and Disease:DOHaD)パラダイムは、2型糖尿病(T2DM)や肥満のような慢性的な健康状態を予防するための早期生活要因の重要性を強調している。妊娠中の母親の健康、幼児期の成長パターン、乳幼児への授乳習慣に関するDOHaD研究は、多くの集団で増加しているにもかかわらず、カナダのファースト・ネーションズ・コミュニティからのデータは限られている。サンディ・レイク・ファースト・ネーションとの協力のもと、このプロジェクトの目的は、ファースト・ネーションの乳幼児の出生時体重と成長パターンを生後6年間にわたり特徴づけること、そして出生時体重と成長軌道に及ぼす母親と乳幼児の社会的・行動的要因の影響を調査することであった。
方法:地域社会への告知と診療所訪問を通じて194家族を募集した。乳幼児の体長・身長と体重を1週目と2週目、1、2、6、12、18ヵ月目、2、3、4、5、6歳時に測定した。母親と乳幼児のアンケートには、健康、栄養、社会的支援に関するデータが含まれた。年齢別体重zスコア(WAZ)、年齢別身長zスコア(HAZ)、年齢別BMI zスコア(BAZ)はWHOの参照基準を用いて算出し、一般化加法モデルを用いて軌跡を解析した。一般化推定方程式およびロジスティック回帰を用いて、曝露と転帰との関連を明らかにした。
結果:WAZとBAZはWHOの平均値を上回り、6歳まで年齢とともに増加した。一般化推定式によると、WAZは年齢と正の相関があり(0.152;95%CI 0.014、0.29)、HAZは出生時体重と正の相関があり(0.155;95%CI 0.035、0.275)、BAZは養育者のBMIと正の相関があった(0.049;95%CI 0.004、0.090)。妊娠糖尿病に罹患すると、急激な体重増加(RWG)のオッズが増加した(OR:7.47、95%CI:1.68、46.22)。ほぼ70%の親が母乳育児を開始し、母乳育児の開始はWAZ(-0.18;95%CI -0.64、0.28)およびBAZ(-0.23;95%CI -0.79、0.34)の低下と緩やかに関連していた。
結論:本研究は、T2DMの病因に寄与する可能性のある早期生活因子を明らかにし、地域社会や先住民主導の予防戦略を支援するために用いることができる。