遠隔医療提供におけるビデオと電話の比較:オーストラリアの一般診療研修生を対象とした横断的研究。
アブストラクト
背景:オーストラリアではCOVID-19の大流行を受け、2020年から報酬制の遠隔医療相談が導入された。テレビ会議は、診断や意思決定の精度を向上させるなど、電話相談よりも利点がある。しかし、オーストラリアにおけるビデオ会議の普及率は低い。本研究の目的は、オーストラリアの一般診療(GP)登録医の診療におけるビデオ診察と電話診察の普及率と関連性を明らかにすることである。
方法:RecenT(Registrars Clinical Encounters in Training)研究の2020年から2021年(6ヵ月ごとのデータ収集ラウンドを3回)のデータの横断的分析。GP登録医が6ヵ月ごとに60件の連続診察の詳細を記録しており、合計3期分である。一変量および多変量ロジスティック回帰を一般化推定方程式の枠組みで行い、アウトカムはビデオと電話の比較とした。
結果:1,168人の登録医により102,286件の診察が記録され、その21.4%が遠隔医療によるものであった。このうち、電話は96.6%(95%信頼区間:96.3-96.8%)、ビデオ会議は3.4%(95%信頼区間:3.2-3.7%)であった。29、95%CI:1.03-1.62、15-34歳と比較)、登録医が初めての患者(OR 1.19、95%CI:1.04-1.35)、非常勤登録医(OR 1.84、95%CI:1.08-3.15)、社会経済的不利の少ない地域(OR 1.27、95%CI:1.00-1.62/十分位)であった。
結論:登録医の遠隔医療相談は、ほとんどが電話で行われていた。電話の使用が社会経済的不利と関連していることは、健康の公平性に影響を及ぼす。今後の研究では、ビデオ会議利用の障壁とその利用を増やすための戦略を探るべきである。