COVID-19が2018-2022年を通して全国の小児複雑性副鼻腔炎の動向に与える影響。
アブストラクト
目的:小児科病院情報システム(PHIS)データベースを活用し、2018年から2022年までの全国の小児副鼻腔炎症例の動向を、症例数、社会経済、重症度に着目して記述・分析する。
研究デザイン:レトロスペクティブ・コホート研究。
方法:小児病院50施設からなる小児医療情報システム(PHIS)データベースを用いた後ろ向きコホート研究を行った。地域はPHISガイドラインに従って定義した。副鼻腔炎症例の人口統計学的および社会経済学的情報の割合を評価し、2018~2022年を通して地域別にサブグループ化した。
結果:全地域において、COVID後の副鼻腔炎症例数はCOVID前と比較して多く、重大度および極度の重症度の増加が顕著であった。2020年と2021年には、すべての地域で副鼻腔炎症例の総数が減少した。手術介入と副鼻腔炎の重症度は、いずれも入院期間に影響する有意な因子であった。副鼻腔手術を受ける確率に関しては、年齢と重症度が最も有意な予測因子であった。年齢と保険の種類は重症度の有意な予測因子であり、年齢が高くなるほど、また政府系保険に加入しているほど、副鼻腔炎の重症度が大きい、または極端に大きい確率が高かった。
結論:COVID後の急性副鼻腔炎の症例数はCOVID前と比較して増加し、重症度も悪化する傾向にあるようである。パンデミック期の2020~2021年には症例数が減少しており、他の感染症の傾向と一致している。