小児科における喘息治療の最新情報:薬剤師のためのレビュー。
アブストラクト
目的:本総説の目的は、小児の喘息管理について要約し、ガイドラインに基づいたさまざまなアプローチを明らかにすることである。本総説では、喘息管理における副腎皮質ステロイド(吸入薬、全身薬、生物学的製剤)の使用に関する文献についても論じている。
要約:喘息は小児によくみられる慢性呼吸器疾患であり、患者特異性の高い疾患へと発展してきた。2つの主要な喘息ガイドラインのうち、1つはNational Asthma Education and Prevention Programによって作成されたもので、2020年に焦点を絞った更新版として最近発表された。もう1つは、Global Initiative for Asthmaによるもので、管理と予防のための世界的な戦略に焦点を当てたもので、最新の更新は2023年である。どちらの報告書でも、成人および小児の喘息の診断、評価、治療について述べられている。両報告書において、治療は段階的アプローチとして設計されているが、重要な相違点がある。本稿では、小児における気管支拡張薬と吸入コルチコステロイドの単独維持療法と緩和療法、長時間作用性ムスカリン拮抗薬の使用など、これらのガイドラインのギャップに焦点を当てる。また、5歳未満の小児における治療についてもレビューしているが、この年齢層におけるエビデンスが不足しているため、推奨は限定的である。最後に、この総説では、治療が困難な患者に対する生物学的製剤を含む新たな治療法についての考察を述べている。
結論:小児喘息の治療において、新たな治療戦略や治療薬が登場している。薬剤師は、小児に対するエビデンスに基づいた最新の治療選択肢に関する教育を提供し、調剤し、推奨する上で重要な役割を担っている。