男性のHPV陽性状態は、異性間カップルにおける女性のHPV感染の獲得と関連している。
アブストラクト
目的:男性パートナーのヒトパピローマウイルス(HPV)陽性が女性のHPV感染および子宮頸部病変に及ぼす影響に焦点を当てた研究はほとんどない。本研究の目的は、夫のHPV感染状況が妻の子宮頸部HPV感染および病変に及ぼす影響を評価することである。
方法:2013年から2021年に福建省母子衛生病院の外来を受診した一夫一婦制の夫婦251組を対象とした。女性の子宮頸部と男性の尿道の剥離細胞を用いて、PCR-逆ドットブロット法によりHPV型分析を行った。251組のカップルのHPV型の有病率と一貫性を分析した。その後、HPV陽性の男性パートナーを持つ女性のHPV感染リスクを分析した。統計解析にはSPSSバージョン26(IBM、米国シカゴ)を使用した。
結果:251組の夫婦において、最も多く検出された高リスク型HPV(HR-HPV)の遺伝子型は、男性では52、51、16、58、女性では16、52、18、58であった。HPV陽性の夫を持つ妻は、ほとんどのHR-HPV遺伝子型において感染率が高かった。夫のHR-HPV陽性は妻の子宮頸部病変発症の危険因子であった(OR=2.250、P=0.014)。夫の単一型感染(OR=2.085、P=0.040)および複数型感染(OR=2.751、P=0.036)はいずれも、妻の非HR-HPV感染および子宮頸部病変のリスク上昇に寄与した。
結論:夫のHPV陽性は、非HR-HPV感染の負担を増加させ、妻の子宮頸部病変発症リスクを増加させる。女性の子宮頸がん予防、男性のHPVワクチン接種の参考値となることが期待される。