小児の体組成と呼吸転帰:集団ベースの前向きコホート研究。
アブストラクト
背景:体組成は小児の肺機能と喘息に影響を及ぼす可能性があるが、その縦断的な関係は不明である。我々は、小児期から青年期にかけての体組成の変化の臨界期を特定し、青年期の呼吸器系の転帰に関連させることを目的とした。
方法:集団ベースの前向きコホート研究において、6歳、10歳、13歳の時点で、二重エネルギーX線吸収測定法により、体格指数、脂肪量指数(FMI)、除脂肪量指数(LMI)、甲状腺脂肪量÷女性型脂肪量の比(A/G比)を測定した。13歳時に肺機能をスパイロメトリーで測定し、現在の喘息を質問票で評価した。
結果:最も顕著かつ一貫して、13歳時のFMIとA/G比の高値は、強制呼気1秒量(FEV)/強制肺活量(FVC)およびFVCの75%呼気後強制呼気流量(FEF)の低値と関連していた(Zスコア差-0.13(95%信頼区間-0.16~-0.10)~-0.08(95%信頼区間-0.11~-0.05))、全年齢でLMIが高いほどFEFが高かった(Zスコア差0.05(95%信頼区間0.01~0.08)~0.09(95%信頼区間0.06~0.13))。6~13歳では、FMIおよびA/G比が正常~高値はFEV/FVCおよびFEFの低値と関連し(Zスコア差-0.20(95%CI -0.30~-0.10)~-0.17(95%CI -0.28~-0.06))、LMIが高値~高値はFEFの高値と関連した(Zスコア差0.32(95%CI 0.23~0.41))。体組成の変化は喘息とは関連していなかった。
結論:全脂肪および腹部脂肪指数が高い青年期は肺機能が低下している可能性がある一方、小児期および青年期の除脂肪体重が高い青年期は小気道機能が良好である可能性がある。公衆衛生対策は、呼吸器疾患の罹患率を最小限に抑えるために、青年期の健康的な体組成に焦点を当てるべきである。