健康の社会的決定要因と小児肥満との関連:2021年全国小児健康調査の横断的分析。
アブストラクト
背景:米国では小児肥満が健康上の問題となっており、小児肥満があると若年で慢性疾患を発症する可能性が高くなる。健康の社会的決定要因(SDOH)は、健康全般に影響を及ぼすことが知られている。また、社会経済的地位(SES)の低い家庭は、食糧不足に陥りやすいことが示されている。
目的:我々の第一の目的は、National Survey of Children's Health(NSCH)2021のデータを利用して、小児肥満とSDOHの現在の関連を明らかにすることであった。次に、肥満の子どもにおけるSDOHの有病率を推定した。
方法:2021年NSCHの横断的分析を行い、SDOH領域に関連するデータを抽出した。対照となる社会人口統計学的変数を抽出し、SDOHと小児肥満のオッズ比による関連を明らかにするためにロジスティック回帰モデルを構築した。
結果:二値回帰モデルにおいて、肥満(95パーセンタイル以上)の子どもは、肥満のない子どもよりも、すべての領域でSDOHを経験する可能性が高かった。社会人口学的変数をコントロールした後、肥満のある子どもは、肥満のない子どもと比較して、食糧不足を経験する可能性が有意に高かった(調整オッズ比[AOR]=1.39;95%信頼区間[CI]:1.13-1.17)。
結論:現行の米国小児科学会(AAP)の臨床実践ガイドライン(CPG)に沿って、栄養プログラムの政策を改善し、栄養価の高い食品へのアクセス不足に対処することで、食糧不安はある程度緩和される可能性がある。小児が十分な栄養のある食品を利用できるようにすることは、小児肥満に対処し、慢性疾患のリスクを減少させる上で極めて重要である。