北インドの3次医療機関における小児の予防接種状況に対するコビドパンデミックの影響:部分接種と非予防接種の理由に関する横断的研究。
アブストラクト
背景:インドにおける予防接種率の低さは、社会人口統計学的要因や人々の行動など多くの要因に起因している。COVID-19の大流行により、予防接種サービスの最適な利用可能性と利用率の達成に混乱が生じた。本研究は、COVID-19パンデミック後の子どもたちの予防接種状況と、パンデミック中に予防接種を受けられなかった様々な要因を明らかにするために実施された。
方法:この横断研究は、1~6歳の入院児225人の親を対象とし、半構造化自由形式質問票を用いて面接を行った。小児は、生後1年未満に接種されなかったワクチンに基づいて、完全接種児、部分接種児、未接種児に分類された。COVID-19パンデミック時の未接種の理由およびワクチン接種の遅れ/接種漏れが記録された。
結果:225人の小児のうち、162人(72%;95%信頼区間66-78%)が完全接種、55人(24.4%;95%信頼区間19-30%)が部分接種、8人(3.6%;95%信頼区間1-6%)が未接種であった。病院分娩、高学歴、低出生順の親は、より良い予防接種を受けた子供を持つ傾向があった(p < 0.05)。予防接種を受けていない子どもで最も多かったのは、9ヵ月に予定されていた麻疹の初回接種と14週に予定されていた5価ワクチン/OPV/ロタウイルスワクチンの3回目の接種であった。部分接種および未接種の理由として多かったのは、意識の欠如(n=36、57.1%;95%CI 45-70%)で、次いで子どもの病気(n=21、33.3%;95%CI 21-45%)、COVID-19の流行(n=11、17.4%;95%CI 8-27%)であった。パンデミックは50人(22.2%;95%CI 17-28%)の子どもの遅れの理由であった。移動の制限(64%;95%信頼区間50-78%)、COVID-19に暴露されることへの恐怖(52%;95%信頼区間38-66%)が、パンデミック時の最も一般的な遅延理由であった。パンデミックのために遅れた50人の小児のうち、39人(17.3%;95%CI 12-22%)がパンデミック後にキャッチアップ接種を受けた。COVID-19のパンデミックにより完全に予防接種を受けられなかった子どもはいなかった。
結論:COVID-19のパンデミックは定期的な予防接種の中断をもたらしたが,パンデミック後に予防接種を受けていない,あるいは部分的にしか受けていない小児がいたのは,予防接種に対する意識,親の教育,予防接種に対するさまざまな信念などの社会人口統計学的要因が関与していた.