8-9歳の急速進行性思春期早発症症例における頭蓋病変のMRI評価。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、思春期早発症(急速進行性)と診断された8~9歳の女性患者における頭蓋内病変の頻度と分布を、MRI画像の評価を通して検討することである。
材料と方法:中心性思春期早発症(CPP)(6-8歳)および急速進行性思春期早発症(RPEP)(8-9歳)と診断された74名の女性患者を対象とした。患者はMRI検査の所見に基づいて正常群と異常群の2群に分類された。最近の文献では、MRI異常所見は、病理学的所見、CPPとの関係が疑わしい所見、偶発的所見の3群に分類されている。さらに、MRI所見とCPPまたはRPEPの有無に基づいて、患者を4群に分類した:CPP+正常MRI、RPEP+正常MRI、CPP+異常MRI、RPEP+異常MRI。
結果:本研究に組み入れられた74例の女児のうち、54%(n=40)が正常MRI所見を示し、46%(n=34)に異常MRI所見が検出された。MRI異常所見を示した症例に悪性病変は確認されなかった。MRI異常所見の発生はPP群で46%、RPEP群で45%に認められた。MRI所見は両群とも偶発所見が最も多かった。病理所見およびCPPとの関係が疑わしい所見を有する症例の割合は、両群で同程度であった(p = 0.06)。基礎黄体形成ホルモン(LH)濃度は、CPP群と比較してRPEP+異常MRI群で高いことが判明した。)+正常MRI群(p = 0.01)と比較した。
結論:本研究は、8-9歳の急速進行性思春期早発症症例におけるMRI所見を調査した初めての研究である。6-8歳の思春期早発症例と8-9歳の急速に進行した思春期早発症例とで頭蓋内所見に差がないことが示された。