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スウェーデンのコホート研究では、シャント水頭症の女児の半数が思春期早発症または早発であった。
アブストラクト
目的:小児水頭症をシャントした女児を対象とした後方視的コホート研究において、思春期早発症および思春期早発症の発生とその危険因子を評価することを目的とした。
方法:研究対象は、1980年から2002年の間に生まれ、腹腔シャントによる治療を受けた小児水頭症の女児82人である。脊髄髄膜瘤のある女児39名とない女児34名のデータが入手可能であった。臨床データと思春期の時期について医療記録を分析した。思春期早発症および思春期早発症は、それぞれ8歳0ヵ月および8歳9ヵ月以前に思春期徴候が出現したものと定義した。
結果:最終入院時の年齢中央値は15.8歳(範囲10.0-18.0)であった。15人(21%)が思春期早発症で、21人(29%)が思春期早発症であった。3回以上のシャント再置換を行ったのは、思春期早発症または思春期早発症の女児26/36人、そうでない女児3/37人であった(p = 0.01)。シャント再置換術の回数は、骨髄膜破裂のある女児では思春期開始年齢と負の相関があった(スピアマンの相関係数=-0.512、p=0.001)。
結論:シャント造設した乳児水頭症の女児は、思春期早発症または思春期早発症のリスクが高い。シャント再置換の繰り返しは思春期早発症と関連しているようであった。