敗血症性ショックの小児に対する早期アドレナリン注入による蘇生:無作為化パイロット試験。
アブストラクト
目的:敗血症性ショックの小児において、ガイドラインは40~60mL/kgの輸液による蘇生を推奨しているが、この方法を支持するエビデンスは不足している。われわれは、敗血症性ショックの小児において、早期のアドレナリン注入と標準的な輸液による蘇生を比較するランダム化試験の実施可能性を検討することを目的とした。
デザイン:非盲検並行ランダム化対照多施設パイロット試験。主要エンドポイントは実現可能性、探索的臨床エンドポイントは28日後までに臓器機能障害のない生存期間とした。
設定:オーストラリア、クイーンズランド州の4つの小児救急部。
対象:生後28日から18歳までの敗血症性ショックの小児。
介入:患者を1対1に割り付け、20mL/kgの輸液ボーラス蘇生後にアドレナリン持続注入を行う群(n=17)と、強心薬投与開始前に40~60mL/kgの輸液ボーラス蘇生を行う標準治療の群(n=23)に割り付けた。
測定と主な結果:対象患者58例中40例(69%)が同意し、年齢中央値は3.7歳(四分位範囲[IQR]、0.9-12.1歳)であった。無作為化から強心薬投与までの時間中央値は介入群で16分(IQR, 12-26分)、標準治療群で49分(IQR, 29-63分)であった。最初の24時間に投与された輸液量の中央値は、介入群で0mL/kg(IQR、0~10.0mL/kg)、標準群で20.0mL/kg(14.6~28.6mL/kg)であった(差、-20.0;95%CI、-28.0~-12.0)。臓器機能障害のない生存日数は介入群と標準治療群で差はなく、中央値は介入群27日(IQR, 26-27 d)に対して標準治療群26日(IQR, 25-27 d)であった。介入に関連した有害事象は報告されなかった。
結論:敗血症性ショックの小児において、アドレナリンの早期投与と標準治療を比較するプロトコールは、強心薬および輸液ボーラスの使用に関する試験群間の分離を達成した。