骨形成不全症は心血管異常と関連するか?文献の系統的レビュー。
アブストラクト
骨形成不全症(OI)は、I型コラーゲンの産生異常に 起因するまれな遺伝性疾患である。起立耐性失調は主に骨の脆弱性と変形を特徴とす るが、心血管系疾患のリスク上昇など、骨格外 の症状もみられる。本総説は、起立耐性失調の臨床的側面で十分な研 究がなされていない点に対する認識を高め、臨床 ガイドラインを支援するために、起立耐性失調患 者の心血管疾患に関する文献を包括的に概説す るものである。PRISMAガイドラインに従い、PubMed、Embase、 Web of Science、Scopusにおける系統的な文献検索を行 い、これらのデータベースの開始時から2023年 4月までの論文を対象とした。起立耐性失調では、弁膜症、心不全、心房細動、高血圧 が対照群よりも多くみられる。さらに、起立耐性失調では対照群に比べ大動脈起始 部が大きいことが観察された。様々な心血管系疾患が、対照群よりも起立耐性失調 で多くみられるようである。これらの心血管系の異常は、すべてのタイプの起立 耐性失調で、幼児を含むすべての年齢で観察され る。縦断的な研究が不十分であるため、起立 耐性失調患者においてこれらの異常が進行性で あるかどうかは不明である。これらの所見から、起立耐性失調患者を閾値 の低い循環器専門医に紹介することを勧めたい。