大腿骨転子部すべり症の治療を受けた青少年における反対側すべり症の割合と危険因子:3,528例の包括的分析。
アブストラクト
背景:片側の大腿骨転子部上すべり症(SCFE)を発症した場合、対側の股関節はその後にSCFEを発症するリスクがある。しかし、対側のSCFE発症に関与する危険因子に関するさらなる情報を調査する必要がある。本研究の目的は、一側性SCFEの治療を受けた青少年において、既知の危険因子と潜在的危険因子を混合して検討することにより、その後の対側SCFEの発生率と危険因子を報告することである。
方法:2003年1月から2023年3月までの多施設の電子カルテデータを用いた症例対照研究を行った。SCFEと診断され外科的治療を受けた18歳未満の患者を対象とした。対側SCFEと関連する変数は、患者特性および外科的処置の時期を調整した多変量ロジスティック回帰モデルを用いて同定し、調整オッズ比(OR)を提供した。偽発見率はBenjamini-Hochberg法により説明した。
結果:本研究では、15.3%の患者が、初回SCFE施行後平均296.53±17.23日、中央値190日で対側SCFEを発症した。サイロトロピンの増加(OR、1.43[95%信頼区間(CI)、1.04~1.97];p = 0.022)、糖尿病(OR、1.67[95%CI、1.22~2.49];p = 0.005)、重度の肥満(OR、1.81[95%CI、1.56~2.57];p<0.001)、ヒト成長ホルモン使用歴(OR、1.85[95%CI、1.10~3.38];p=0.032)、低ビタミンD(OR、5.75[95%CI、2.23~13.83];p<0.001)、男児では低年齢(12歳未満:OR、1.85[95%CI、1.37~2.43];p<0.001)、女児では低年齢(11歳未満:OR、1.47[95%CI、1.05~2.02];p=0.026)、タバコ曝露(OR、2.43[95%CI、1.49~3.87];p<0.001)が、対側SCFE発症のオッズ増加と有意に関連していた。
結論:このテーマに関する最大規模の研究において、我々は対側SCFE発症に関連する割合、オッズ、危険因子を同定した。若年、甲状腺機能低下症、高度肥満、低ビタミンD、糖尿病、ヒト成長ホルモン使用歴が独立した危険因子であることがわかった。この知見は、リスクのある患者における臨床的意思決定に役立つものである。
証拠レベル:予後レベルIII。エビデンスレベルの詳細については、Instructions for Authorsを参照のこと。