B細胞性急性リンパ芽球性白血病の治療を受けていた小児において、糖尿病性ケトアシドーシスを呈した薬剤性糖尿病の新規発症。症例報告と文献レビュー。
アブストラクト
目的:高血糖は抗癌化学療法薬の副作用として知られている。薬剤性糖尿病として知られるこの病態は、通常、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の発症を伴わない。今回われわれは、DKAを呈した急性白血病の小児における薬剤性糖尿病の1例を報告する。
症例提示:B細胞性急性リンパ芽球性白血病と診断され、インド小児白血病共同研究グループ(ICICLe)の急性リンパ芽球性白血病-14プロトコールに従って導入期化学療法が開始された10代男児の症例を報告する。導入期の12日目に高血糖を発症し、重篤な糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)で来院した。血清抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ65抗体値は陰性で、血清Cペプチド値は低かった。当初、薬剤性急性膵炎の可能性が考えられたが、それは否定された。薬物誘発性高血糖の可能性を考慮し、小児は皮下定期インスリン投与を開始し、糖記録に従って漸増した。残りの化学療法の継続は、PEG化L-アスパラギナーゼによって行われ、インスリンの漸増は在宅の糖記録に従って行われた。インスリン必要量は、PEG化L-アスパラギナーゼによる地固め療法第1期の0.3単位/kg/日から最大1単位/kg/日まで増加し、薬物誘発性高血糖を示唆したが、その後インスリン必要量は減少し、インスリンは中止された。
結論:薬剤性糖尿病は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)化学療法の導入期にDKAとして現れることがある。高い疑い指数と綿密なモニタリングが必要である。これらの患者におけるインスリン必要量は非常に変動しやすく、治療経過中にゼロになることもある。