中国人女児における食事パターンと思春期早発症リスク:症例対照研究。
アブストラクト
背景:思春期早発症に対する食事摂取の役割については、未だ不明な点が多い。本研究の目的は、中国人女児における食事摂取量および頻度と思春期早発症リスクとの関連を検討することである。
方法:この症例対照研究では、185人の思春期早発症女児と185人の年齢をマッチさせた対照者を登録した。食事摂取量は半定量的食物摂取頻度調査票により評価した。また、社会人口統計学的データおよびライフスタイルのデータも収集した。食事摂取量と思春期早発症リスクとの関連を条件付きロジスティック回帰モデルにより評価した。
結果:多変量調整後、赤肉の摂取量が多いほど思春期早発症リスクが高い(OR = 2.74, 95% CI: 1.25-6.02)一方で、果物の摂取頻度が高く(傾向のP = 0.024)、野菜の摂取量が多いほど思春期早発症リスクが低い(傾向のP = 0.002)。野菜とタンパク質の多い食事パターンは、年齢と肥満度を調整した後、思春期早発症と有意に負の相関を示したが(OR = 0.78、95%CI:0.63-0.97)、動物性食品と果物の多い食事パターンは、思春期早発症と顕著に正の相関を示した(OR = 1.36、95%CI:1.09-1.69)。
結論:中国女児において、高菜食・高蛋白食パターンは思春期早発症の予防因子である一方、高動物性食品・高果実食パターンは思春期早発症の危険因子である。思春期早発症のリスクを減少させるためには、子どもの毎日の食事における赤肉、卵、果物の適度な摂取量に注意を払い、野菜の摂取量を増やすべきである。