急速に進行する中枢性思春期早発症の早期診断における黄体形成ホルモン基礎値と性ホルモン結合グロブリンの価値。
アブストラクト
目的:本研究の目的は、急速に進行する中枢性思春期早発症(RP-CPP)の黄体形成ホルモン(LH)基礎値と性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の診断価値を検討することである。
方法:2021年5月から2023年6月にかけて、南京医科大学連雲港臨床医学院小児内分泌科から、二次性徴を呈する女児121名を抽出した。小児は6ヵ月間追跡調査され、3群に分けられた:RP-CPP群(n=40)、緩徐進行性中枢性思春期早発症(SP-CPP)群(n=40)、早発性思春期(PT)群(n=41)。3群の女児のLH基礎値とSHBGの差を比較した。ROC曲線を作成し、RP-CPPの同定におけるLH基礎値とSHBGの価値を分析した。
結果:年齢、身長、予測成人身長(PAH)、体重、体格指数(BMI)、骨年齢(BA)、BA-年齢(CA)、LH基礎値、LHピーク値、FSH基礎値、LHピーク値/FSHピーク値、エストラジオール(E2)、テストステロン、SHBG値はRP-CPP群とSP-CPP群、PT群で有意差が認められた(P<0.05)。RP-CPP群のLH基礎値はSP-CPP群およびPT群より高く、SHBG値は後者2群より低く、これらの差は統計学的に有意であった(P<0.05)。LH基礎値が0.58IU/L以上、SHBGが58.79nmol/L以下の場合、RP-CPPの診断感度は77.5%、67.5%、特異度は66.7%、74.1%であった。
結論:基礎LH値とSHBG値を検出することにより、中枢性思春期早発症の進行を早期に診断することができる。