先天性心疾患を有する成人における糖尿病の発生率と死亡率への影響。
アブストラクト
背景:世界では、1~2%の子供が先天性心疾患(CHD)を持って生まれ、97%が成人期を迎えている。
目的:本研究の目的は、CHD患者における糖尿病のリスクと、CHD患者と対照群における糖尿病罹患が死亡率に及ぼす影響を明らかにすることである。
方法:患者登録のデータを組み合わせることにより、35歳以上で登録された成人発症糖尿病の発生率とその後の死亡リスクを、CHD病変のタイプと性別ごとに2つの連続した出生コホート(1930-1959年生まれと1960-1983年生まれ)において分析し、性別と出生年をマッチさせ、最長87歳まで追跡した集団ベースの対照群と比較した。
結果:CHD患者24,699例と対照270,961例のうち,35歳以上で糖尿病と診断されたのはそれぞれ8.4%と5.6%であり,ハザード比(HR)は1.47(95%CI 1.40-1.54)であった。糖尿病のリスクは第2出生コホートで高く(HR 1.74、95%CI 1.54-1.95)、CHDの複雑さとともに増加した。DM発症後、CHD患者の総死亡率は475であったのに対し、対照群では1万人年あたり411であった(HR 1.16、95%CI 1.07-1.25)。
結論:CHD患者と対照者の全国コホートにおいて,CHD患者では糖尿病発症率がほぼ50%高く,直近の出生コホートと円錐角膜欠損患者ではリスクが高く,CHDと糖尿病の合併は糖尿病対照者と比較して死亡率の有意な上昇と関連していた。