女児および男児における2価HPVワクチン接種2回スケジュール後の免疫反応。
アブストラクト
背景:この縦断的コホート研究では、オランダの定期接種プログラムで12歳時に接種された女児(2001年出生コホート)の2価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン2回接種後、接種後7.5年までの抗体レベルの動態について記述している。また、オランダでHPVワクチン接種の対象となった最初の男児コホート(2012年出生コホート、10歳で接種)の接種1ヵ月後の抗体反応についても紹介する。
方法:女児と男児の血液サンプルとアンケートデータを収集した。HPV16/18/31/33/45/52/58に対するHPV型特異的抗体濃度(LU/mL)を、有効なウイルス様粒子(VLP)多重免疫測定法を用いて評価した。女児については、修正べき乗減衰モデルと指数関数的減衰モデルを用いて抗体の経時的減衰をモデル化した。
結果:接種後7.5年までの女児におけるHPV16/18の幾何平均濃度(GMC)は、HPV31、33、45、52、58型よりも高いままであった。HPV16およびHPV18の抗体レベルは、それぞれ482および159 LU/mLのプラトー値に達した。数理モデリングにより、HPV16/18の半減期は、他のHPV型の半減期と比較して2.4~4.5倍高いことが示された。男児(10歳)では、HPV16のGMCは、接種1ヵ月後(12歳)の女児よりも有意に高かった。
結論:すべてのHPV型のGMCは時間の経過とともに低下したが、HPV16/18のGMCは接種後7.5年まで比較的高いままであった。男児のHPV16/18のGMCは、少なくとも接種後1カ月では女児のGMCと同等に高かった。二価HPVワクチン接種後の若年男児の長期的な免疫応答に関する知見を得るためには、男児コホートのさらなる追跡調査が必要である。