腸内細菌叢と炎症メディエーターは、診断時に牛乳蛋白のIgE媒介例と非IgE媒介例を区別する。
アブストラクト
目的:IgE介在性牛乳タンパク質アレルギー(CMPA)および非IgE介在性(NIM)CMPA患者の診断時点における糞便および血液サンプルを分析し、新たなバイオマーカーの可能性を探索する。
患者と方法:スペイン北部の3つの病院でIgE介在性CMPA患者14名とNIM-CMPA患者13名を募集し、同年齢の対照群の乳児25名と比較した。腸内細菌叢の特徴を明らかにするため、ビフィズス菌の16S rDNA遺伝子と内部転写スペーサーアンプリコンの塩基配列をイルミナテクノロジーで決定した。脂肪酸はガスクロマトグラフィーで分析し、腸炎症マーカーは酵素結合免疫吸着測定法とマルチプレックスシステムで定量した。血液の免疫学的分析はフローサイトメトリーで行った。
結果:NIM-CMPA群で得られた糞便結果は際立っていた。その中で、ビフィズス菌科およびビフィドバクテリウム属の配列が対照群と比較して有意に減少していることが観察された。ビフィズス菌の種類も異なっており、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)配列の低存在が強調された。便中カルプロテクチン濃度は、IgEを介する患者に関連して有意に上昇していた。また、NIM-CMPA患者ではIL-10の排泄が多く、IL-1raと血小板由来成長因子-BBの排泄が少なかった。
結論:NIM-CMPA患者においてみられた糞便パラメータの差異は、CMタンパク質に対するNIM食物アレルギーの診断に有用であると考えられる。