青年および若年成人におけるSARS-CoV-2 mRNAワクチンのブースターワクチン接種と心筋炎:北欧のコホート研究。
アブストラクト
背景と目的:SARS-CoV-2 mRNAワクチンは心筋炎のリスク上昇と関連している。この関連は、思春期の男性や若年男性、2回目の接種後に最も強いようである。本研究の目的は、12~39歳におけるSARS-CoV-2 mRNAブースターワクチン接種後の心筋炎リスクを評価することである。
方法:デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの全国的な登録データを用いて、4カ国に居住する890万人全員を対象とした多国籍コホート研究を実施した。参加者は心筋炎の入院診断を受けた患者を追跡した。4カ国のそれぞれにおいて、ポアソン回帰を用いて、ワクチン接種スケジュールを比較した心筋炎の調整済み発生率比(IRR)を、関連する95%信頼区間(CI)とともに推定した。国別の結果はメタアナリシスで統合された。
結果:合計890万人の住民を12,271,861人年追跡し、1533例の心筋炎を同定した。12~39歳の男性では、BNT162b2またはmRNA-1273の3回目の投与後28日間の急性リスク期間は、2回目の投与後28日以上の急性リスク期間と比較して心筋炎の発生率の増加と関連していた[IRRはそれぞれ2.08(95%CI 1.31-3.33)および8.89(2.26-35.03)]。女性の場合、対応するIRRはBNT162b2でのみ推定可能であり、3.99(0.41-38.64)であった。男性におけるBNT162b2およびmRNA-1273の3回目接種後の対応する絶対リスクは、それぞれ接種者10万人当たり0.86(95%信頼区間0.53-1.32)および1.95(0.53-4.99)の28日以内の心筋炎イベントであった。女性では、BNT162b2の3回目接種後の対応する絶対リスクは、接種者10万人あたり0.15(0.04-0.39)イベントであった。ワクチン接種後30日以内の死亡例はなかった。
結論:この結果から、思春期および若年成人ではブースター接種が心筋炎リスクの上昇に関連することが示唆された。しかし、ブースター接種後の心筋炎の絶対リスクは低い。