頭蓋顔面骨形成不全症および歯性骨形成不全症の症状が、小児および青年の口腔健康関連QOLに及ぼす影響。
アブストラクト
目的:骨形成不全症(OI)の頭蓋顔面および口腔 症状は、顎口腔系の機能に影響を及ぼし、患者のQOL に影響を与える可能性がある。本研究の目的は、起立耐性失調の小児および青 年の頭蓋顔面および口腔症状と口腔健康関連QOL (OHRQoL)との関係を評価することである。
材料と方法:遺伝性疾患口腔ケアセンターで経過観察し ている8~14歳の起立耐性失調患者30名を対象とした。OHRQoLはChild Perceptions Questionnaire (CPQ)の短縮形を用い、8~10歳(CPQ)と11~14歳(CPQ)で評価した。OHRQoL指標とその評価領域、起立耐性失調 のタイプ、象牙質形成不全(DI)、クラスIII不正咬合、 歯列不正の有無との関係を評価した。
結果:CPQスコアの中央値は5点であり、OHRQoLに ついては小児と青年で有意差はなく、重症度やDIの有無 との関連も認められなかった。評価された口腔症状は患者のOHRQoLに直接影響しなかった。
結論:本研究により、OHRQoLの認識は青年期と小児期で類似していることが示された。8~14歳の患者においては、口腔症状が指標に最も関連する領域であった一方、感情的幸福が最も影響を受けた。
臨床的意義:本研究は、起立耐性失調を持つ小児と青 年の歯科治療に取り組むことが、この集団の臨床 管理とOHRQoLの向上に重要であることを示し、 貢献するものである。