COVID-19パンデミック3年目における若年発症2型糖尿病患者率の低下。
アブストラクト
目的:COVID-19パンデミック後の3年間における若年発症2型糖尿病患者率の変化を明らかにする。
方法:小児3次医療施設で18年3月1日から23年2月28日の間に新たにT2Dと診断された患者について、単一施設での後方視的診療録レビューを行った。CHLAに紹介されたT2D診断日が2020/3/1~2023/2/28の患者数を、2018/3/1~2020/2/29の過去の割合と比較した。各年と2019年の間のカテゴリー変数の比較にはχまたはフィッシャーの正確検定を用いた。
結果:プレパンデミックベースライン(3/1/19-2/29/20、11.8±3.7例/月)と比較して、パンデミック1年目(3/1/20-2/28/21、20.1±6.0例/月、171%、p=0.005)およびパンデミック2年目(3/1/21-2/28/22、25.9±8.9例/月、221%、p=0.002)において、新規T2D月間症例率が有意に増加した。パンデミック3年目の罹患率は14.5±4.1例/月(3/1〜3/22、p=0.43)に減少した。パンデミック前年の1年目と比較して、診断時のDKAの頻度はパンデミック1年目の方が高かった(13.3 vs. 5.0%、p=0.009)。パンデミック2年目(6.8%)と3年目(3.4%)のDKA発生率はプレパンデミック1年目と同程度であった(それぞれp=0.53と0.58)。
結論:パンデミック3年目の若年発症2型糖尿病患者とDKA発症率はパンデミック前のレベルに戻った。