アフガニスタンにおけるロタリックス投与後の腸重積の市販後調査(2018-2022年)。
アブストラクト
背景:2018年1月、アフガニスタンは一価経口ロタウイルスワクチン(ロタリックス)を全国に導入し、生後6週と10週に2回接種した。腸重積症例の特徴を述べ、アフガニスタンの乳児におけるロタリックスワクチン接種に関連する潜在的な腸重積リスクを評価する。
方法:2018年5月から2022年3月まで、アフガニスタンの4カ所のセンチネルサイトにおいて、多施設前向き積極的病院ベースの腸重積サーベイランスを実施した。ブライトンレベル1の腸重積基準を適用し、ワクチンカードを確認することによりワクチン接種状況を検証した。自己対照症例シリーズ(SCCS)法を用いて、ロタリックス接種後1~21日の腸重積発生率を非リスク期間と比較した。
結果:12ヵ月未満の乳児を対象とした計468例の腸重積症が同定され、そのうちワクチン接種の有無が確認された生後28~245日の264例がSCCS解析に寄与した。ほとんどの症例(98%)は治療のために手術を要し、手術を受けた症例の半数以上(59%)は腸切除を要した。19例(7%)が死亡した。症例の86%が1回目のロタリックス投与を受け、69%が腸重積症状発現前に2回目の投与を受けた。1-7日(相対発生率:0.9、95%信頼区間:0.1、7.5)、8-21日(1.3、95%信頼区間:0.4、4.2)、1-21日(1.1、95%信頼区間:0.4、3.4)、または2回目の投与後1~7日(0.2、95%CI:0.3、1.8)、8~21日(0.7、95%CI:0.3、1.5)、または1~21日(0.6、95%CI:0.3、1.2)であった。
結論:ロタリックス接種は腸重積リスクの増加とは関連しておらず、アフガニスタンの予防接種プログラムにおけるロタリックスの継続使用を支持するものであった。しかし、アフガニスタンの乳児の間では、腸重積による死亡や切除が多くみられた。