COVID期間中に増加したアジスロマイシンに対する抗菌薬耐性:不合理な使用の役割。
アブストラクト
目的:都市部におけるコロナウイルスDisease-2019パンデミック時のアジスロマイシンの使用と抗菌薬耐性への影響を評価する。
方法:2つの異なるデータセットを用いてレトロスペクティブ横断研究を実施した。最初のデータセットは、COVID 19の第1波、すなわち2020年1月から12月までの入院患者(N=300)であった。カラチのZiauddin大学の倫理審査委員会の承認後、2021年10月から2022年11月の間にカラチの3次医療病院からデータを収集した。薬剤使用評価は、構造化され検証されたツールを用いて行われた。治療プロトコールは、コロナウイルス疾患-2019治療プロトコール2020およびパキスタン医学微生物学・感染症学会発行のガイドラインと比較して評価した。2つ目のデータセットは、消費データ(入院患者および外来患者の両方について薬局から入手)と抗菌薬耐性(参加病院の微生物学部門から収集したアンチバイオグラムから入手)である。このデータは、2019年(COVID前)から2021年(COVID第1波後)の3年間にわたり、消費量と抗生物質耐性の両方の傾向を確立するために収集された。データはSPSS 20を用いて分析した。
結果:300人の患者のうち、207人(69%)が男性、93人(31%)が女性であった。平均年齢40.06±10.48歳の成人が162例(54%)、次いで平均年齢70.37±6.94歳の老人が120例(40%)、平均年齢13.5±3.60歳の小児が18例(6%)であった。全例にアジスロマイシンが経験的に投与され,培養感受性試験が行われたのは21%のみであった。COVID治療プロトコールとの比較では、コンプライアンス違反はわずか3%であった。しかし、市中肺炎(CAP)、副鼻腔炎、腸チフス、尿道炎では、MMIDSPガイドラインとの比較で、それぞれ95%、22%、75%、100%のノンコンプライアンスが認められた。さらに、11%の患者ではガイドラインで推奨されていない症状に対して投与されていた。さらに、アンビオグラムではアジスロマイシンに対する耐性菌の割合が増加していた。
結論:コロナウイルスDisease-2019のパンデミックにおけるアジスロマイシンの過剰使用と不合理な使用が、抗菌薬耐性を増加させた可能性が高い。