小児急性リンパ芽球性白血病におけるL-アスパラギナーゼ過敏症の予測因子。
アブストラクト
背景:L-アスパラギナーゼは急性リンパ芽球性白血病(ALL)治療の重要な要素である。しかし、過敏症は一般的な有害事象である。本研究は、小児ALLにおけるL-アスパラギナーゼ過敏症の危険因子を同定することを目的とした。
方法:2005年から2020年の間にタイのチェンマイ大学病院でALL治療を受けた小児を対象とした。人口統計学的データ、臨床的特徴、およびL-アスパラギナーゼに関連する因子をレトロスペクティブに検討した。
結果:L-アスパラギナーゼ過敏症はALL患者216例中24例(11.1%)に認められた。全例がネイティブL-アスパラギナーゼを筋肉内投与され、事象は副腎皮質ステロイドを併用しない導入後期にのみ発生した。単変量解析では、ALLの再発、累積投与量の増加、曝露日数の増加、薬剤投与間隔の延長が潜在的な危険因子であることが示された。多変量ロジスティック回帰分析では、52週間以上のL-アスパラギナーゼ投与の中断と15日以上の曝露期間が独立した危険因子であり、調整オッズ比はそれぞれ16.481(95%CI 3.248-83.617、p = 0.001)と4.919(95%CI 1.138-21.263、p = 0.033)であった。
結論:52週間の投与中断後にL-アスパラギナーゼの再投与を必要とするALL小児、または15日以上L-アスパラギナーゼを投与された小児は、L-アスパラギナーゼ過敏症を発症するリスクがある。このような状況における更なる管理戦略を評価すべきである。