近隣レベルでの小児入院の不公平の因果的媒介。
アブストラクト
背景と目的:子どもの健康結果における集団全体の人種的不公平はよく知られている。しかし、不公平と社会的、経済的、環境的曝露との因果経路についてはあまり知られていない。ここでは、集団レベルの入院率における全体的な不公平を推定し、場所ベースの曝露や地域特性によってどの程度媒介されるかを明らかにしようとした。
方法:2016年7月1日~2022年6月30日に入院した18歳未満の青少年を対象とした、集団全体の近隣レベルの研究を採用した。疎外された人口構成が国勢調査区レベルの入院率を引き起こす媒介経路を推定するために、事前に因果関係のある有向非循環グラフを定義した。負の二項回帰モデルを用いて,入院率の不公平と,これらの不公平が場所に基づく社会的,経済的,環境的曝露によって間接的にどの程度媒介されているかを推定した.
結果:28 390人の患者が経験した50 719件の入院を分析した。小児1,000人当たりの国勢調査地区レベルの入院率を算出したところ、国勢調査地区全体では10.9~143.0(中央値45.1、四分位範囲34.5~60.1)であった。限界人口が10%増加するごとに、トラクトレベルの入院率は6.2%増加した(95%信頼区間:4.5~8.0)。トラクトレベルの地域社会の物質的困窮、犯罪リスク、英語の使用状況、住居の在り方、家族構成、病院へのアクセス、緑地、交通関連の大気汚染、住宅事情で調整した後では、不公平は残っていなかった(0.2%、95%信頼区間:-2.2~2.7)。喘息、1型糖尿病、鎌状赤血球貧血、精神疾患のサブセットを考慮すると結果は異なった。
結論:今回の所見は、集団レベルでの結果も含め、構造的人種差別が子どもの健康結果における不平等の重大な根本原因であることを支持する新たな証拠となった。