小児および青年の心筋症:欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)のEURObservational Research Programme Cardiomyopathy and Myocarditis Registryにおける病因、管理および転帰。
アブストラクト
背景と目的:小児期発症の心筋症はまれであり、その特徴もよくわかっていない。この研究では、第1回European Cardiomyopathy Registryに登録された小児心筋症のベースライン特性と1年間の追跡調査を行った。
方法:European Society of Cardiology EURObservational Research Programme Cardiomyopathy and Myocarditis長期レジストリ(2014年6月~2016年12月)に登録された1~18歳の患者を対象に前向きデータを収集した。
結果:肥大型[HCM;n=388(61.3%)],拡張型[DCM;n=206(32.5%)],拘束型[RCM;n=28(4.4%)],不整脈源性右室心筋症[ARVC;n=11(1.7%)]の18歳以下の計633人が14ヵ国の23の紹介センターから登録された。診断時の年齢中央値は4.0歳[四分位範囲(IQR)0~10]で、10歳未満と診断されたDCMを除き、すべてのサブタイプで男性優位[n=372(58.8%)]であった;621例(98.1%)の患者が心臓治療を受けており、80例(12.6%)が植え込み型除細動器を装着していた。合計253例(253/535、47.3%)が家族性疾患であった。遺伝学的検査は414例(67.8%)で行われ、250例(60.4%)で病原性または病原性の可能性が高い変異体が報告された。希少疾患の表現型は177例(28.0%)で報告され、10歳未満の患者で最も多かった[142例(30.9%) vs 35例(19.6%);P = 0.003]。追跡期間中央値12.5ヵ月(IQR 11.3~15.3ヵ月)の間に18例(3.3%)が死亡した[HCM n = 9(2.6%)、DCM n = 5(3.0%)、RCM n = 4(16.0%)]。心不全イベントはRCM患者で最も頻度が高かった(36.0%)。
結論:今回の所見から、小児心筋症の病因は不均一であり、家族性心筋症の頻度が高いことが確認された。転帰は心筋症のサブタイプによって異なり、疾患特異的な評価と治療の必要性が強調された。