安定期早産児における生後1週間の局所組織酸素飽和度の変化。
アブストラクト
目的:近赤外分光法(NIRS)は局所組織酸素飽和度(rSO)をモニターする非侵襲的な方法である。本研究の目的は,安定期早産児の生後1週目における脳,脾,腎のrSOと分画組織酸素抽出量(FTOE)の変化を調べることである。
方法:2017年11月~2018年11月にNYU Langone Healthにて妊娠30~34週で出生した乳児を対象とした前向き観察研究。大脳、腎、脾臓のrSOを生後12~72時間、7日目にモニタリングした。被験者は妊娠年齢(GA)コホートに分けられた。生後0~12時間、12~24時間、24~48時間、48~72時間、生後1週間の5つの異なる時間間隔で、各位置における平均rSO、脾臓脳酸素比(SCOR)、FTOE、および局所的な被験者内変動を算出した。
結果:20名の被験者が登録された。平均脳脊髄液濃度は76.8~92.8%、腎脊髄液濃度は65.1~91.1%、脾臓脊髄液濃度は36.1~76.3%であった。SCORは0.45から0.94の範囲であった。GAコホート間の最も強い相関は大脳領域(R=0.94)であり、最も弱い相関は脾臓領域(R=0.81)であった。FTOEは、経時的に3部位すべてで増加した。被験者内変動は、大脳領域で最も小さかった(1.3 %(±1.9))。
結論:大脳領域はGAコホート間で最も強い相関を示し、被験者内変動が最も小さかった。早産児におけるrSOをさらに検討するためには、さらなる研究が必要である。