米国5州の男女小児における地理的社会経済的要因とHPVワクチン接種との関連。
アブストラクト
背景:5つの地理的社会経済的要因(Medically underserved area(MUA)、Healthcare provider shortage area(HPSA)、persistent poverty(持続的貧困)、persistent child poverty(持続的子どもの貧困)、social vulnerability index(SVI))が、HPVワクチン接種開始、接種完了、親のワクチン躊躇のオッズと関連するかどうか、また観察された関係が子どもの性別によって異なるかどうかを評価した。
方法:Qualtrics®を利用したオンラインパネルサービスを用いて、2021年に1回限りの調査を行う9~17歳の青少年の親を募集した。調査対象は米国5州:アーカンソー州、ミシシッピ州、ミズーリ州、テネシー州、イリノイ州南部である。一般化推定方程式(GEE)モデルを用いて、5つの地理的社会経済的因子(MUA;HPSA;持続的貧困;持続的小児貧困;SVI)と3つのHPVワクチン接種アウトカム(接種開始、シリーズ完了、ためらい)の間の集団レベルの関連を評価した。すべてのGEEモデルは、子どもの年齢および州レベルでのクラスタリングで調整した。
結果:対象年齢(9~17歳)の最年長の子どもに関する926人の親の回答を用いて分析を行った。分析サンプルは、5つの州全体で、男児471名、女児438名であった。調整GEEモデルにおいて、持続的な子どもの貧困とHPSAは、それぞれ女性の子どもにおけるHPVワクチン接種開始および接種完了と負の相関を示した。男児では、高い社会的脆弱性がHPVワクチン接種完了と負の相関を示した。さらに、持続的貧困と高い社会的脆弱性は、男児におけるHPVワクチン接種のためらいと負の相関を示した。
結論:この横断研究の結果から、青少年のHPVワクチン接種率を向上させる取り組みを実施する際には、地理的な社会経済的要因、特にHPSA、持続的貧困、SVIを考慮すべきであることが示唆された。また、これらの地理的要因をターゲットとするアプローチは、今後の研究で評価されるべきであり、男性および女性の子供に合わせて調整する必要があるかどうかを判断する必要がある。